「このトレーニングはメンタルヘルスの予防にも使えるのではないですか?」関東随一の規模を誇る専門学校である日本工学院八王子専門学校で授業をしているさなか、責任者であるS先生よりそんな質問を受けました。
日本工学院八王子専門学校においては「脳力開発授業」という形で週に1回50分の授業の中で、目の使い方を向上させる「ビジョントレーニング」と心を鍛える「メンタルトレーニング」、そして脳力を高める数々の取り組みを組み合わせ、授業を行っています。
S先生はその中の「メンタルトレーニング」が年々増えている学生たちのメンタルヘルスの問題を解決するのに効果的なのではないかと言うのです。また、教員のメンタルヘルスの管理にも応用できそうだとのことでした。この授業で用いている「メンタルトレーニング」のプログラムはアルファ波を指標としたメンタルトレーニングの第一人者である工学博士・志賀一雅氏により開発されたものです。
もともと、中学生からシニア対象の脳のトレーニングジムとして全国展開している「イプラスジム」の会員向けに作られたプログラムを、大人数でも実施できるようにアレンジして、毎週の授業で使用していました。
「メンタルトレーニング」は本番での実力発揮や目標達成の促進を目的としていますが、その基本である「思い方の練習」がメンタルヘルスの維持・増進に効果的だというのです。事実、この「思い方の練習」を続けることによってうつ状態から回復した例もありました。
そういった背景から、S先生は文部科学省の委託事業に『学生の心の健康を増進し学習意欲の向上をはかる「メンタルヘルストレーニング」の導入と実プロジェクトとして申請を出し、認可をいただきました。そして、その後2年に渡り私たちは「メンタルトレーニング」をベースとした学生ならびに教員向けの「メンタルヘルストレーニング」のプログラムの開発を手掛けたのです。その後、このプログラムをまとめた指導書が全国の1600の専門学校に無料で配布され大きな反響を呼びました。