子育て中の保護者の皆さまへ
今回の記事では「今と昔の子ども達の遊びの違い」について紹介いたします。
気軽かつ簡単に楽しめるものが多い現代において、昔の遊びはあまり馴染みがないかもしれません。
ただ、昔の遊びには身体能力やコミュニケーション能力などの向上が期待できるものが多く、子どもたちの発達や成長に繋がる要素も沢山あります。
- 公園に連れていってもゲームで遊んでいる
- 近くの公園に遊具が少ない
- そもそも近くに外遊びできる環境がない
こういった状況にある方を含めた保護者の皆さまにとって、今後の子育てに活用できる内容となっております。
以下で紹介してまいりますので、ぜひご参考ください。
最近の遊びと昔の遊びの違い
手軽かつ簡単に遊べる最近の遊びと身体能力やコミュニケーション能力などを育てる昔の遊びについて、次のような違いがあります。
最近の遊び
最近の遊びには、次のような特徴があります。
- スマホに釘付け
- ゲーム機でおしゃべり
- 漫画に夢中
最近の遊びの特徴の1つとして、間接的なコミュニケーションはあっても、直接的なコミュニケーションがないという問題があります。
またあまり身体を動かすことがなく、目を動かすことも少ないため、目の機能(ビジョン)の低下や衰えに繋がってしまいます。
目の機能は「見る力」を育てるために重要な役割を担っているので、子どもたちの今後の発達や成長といった問題に悪影響を及ぼす可能性があります。
ちなみに「見る力」とは、「目で見た情報を正確に集め、それを脳で理解し、体で反応していく」 このような総合的な力のことを言います。
実際、2022年12月に発表された 文部科学省の調査によると「小中学生の8.8%に発達障害の可能性」があることが分かっています。
10年前より2.3%増えていることに加え、コロナ禍での自粛による運動不足などを考えると、子どもたちにとって身体を動かす重要性を感じる結果のように思います。
昔の遊び(眼や全身を使った遊び)
一方で、昔の遊びには次のような特徴があります。
- 冒険心・危険を知る
- 協調心を育てる
- 集中力を養う
昔の遊びには、身体を使う遊びから頭を使う遊びまで様々です。
そんな遊びから上記のような子どもたちの発達や成長に繋がる学びが沢山あります。
以下で子どもたちの発達や成長に繋がる外遊びを含め、室内遊びを3つ紹介いたします。
けんけんぱー【外遊び】
「けんけんぱ」は、片足で『ケンケン』と前方に飛び跳ね、最後に『パ』と両足を広げる動作があります。
この運動には、片足で体を支えるバランス感覚や、つま先を利用し前に飛び跳ねる足の力、全身の力をコントロールして協調的に身体を動かす協調運動能力など、様々な能力が必要となります。
そのため「けんけんぱー」は、走る・跳ぶなど足腰を使った運動能力の向上が期待できます。
かるた【室内遊び】
言葉の勉強になる「かるた」は、ひらがなの練習中のお子様にもおすすめの遊びです。
的になる札を「目で探し、狙いを定め、取れた」という達成感から、もっと勝てるようになりたい、読めるようになりたいとの学習意欲の向上にも繋がります。
また「かるた」を通じて「見る力」はもちろん、「聞く力」の発達も期待できます。
加えて、数人でおこなう遊びなので、協調性や社会性、コミュニケーション力などの向上にも繋がる遊びと言えます。
お手玉【室内遊び】
お手玉には、手や指先を使って得られる触覚、あずきなどの中身が鳴る音で刺激される聴覚、多種多様なデザインから視覚が刺激されます。
特に、手や指先を使うことが多いお手玉では、子どもたちの脳を活性化させることができます。
手や指先の運動が脳の活性化に繋がる理由については「【手指の発達に繋がる】正しいお箸や鉛筆の持ち方を紹介!」をご参考ください。
また、お手玉には様々な応用した遊びがあります。
足し算引き算が苦手なお子さんの場合だと、お手玉を使って数の勉強ができます。
実際にモノを通じて学習することで足し算や引き算の理解が深まることが期待できるでしょう。
加えて、お手玉を上手に遊ぶためには、全身を使ってリズムをとることが重要になります。
そのため、リズム感の向上はもちろん、上手に身体を使い続けるバランス力を育てることも期待できると言えます。
最後に
スマホ、ゲーム機1つで手軽に簡単に遊べるものが増えた現代。
またコロナ禍での自粛期間で定着した運動不足な習慣など、子どもたちの発達や成長にとってあまり好ましくない状況に困っている保護者の方は少なくないと感じます。
本記事で紹介した昔の遊びには、子供の発達や成長にとって良いとされる要素をたくさん含んでいます。
「かるた」のような遊びの場合、画用紙などから工作することができますので、年末年始を含めた休みの日に、ご家族でオリジナルの「かるた」を作ってみても良いかもしれません。
以上、今回紹介した昔の遊びを取り入れていただくことで、子どもの発達はもちろん、保護者の皆様も一緒になって楽しめる体験に繋がると思いますので活用いただけますと幸いです。
参考
小中学生の8・8%「発達障害の可能性」、10年前から2・3ポイント増…理解進み顕在化